H・O・L・D UP!
「ねぇねぇ、そっちはちゃんと仲良くバーガー分けて食べた?」
真輝は小走りで昭の隣りまで行き、さっきとは打って変わって、無邪気な表情で昭に言った。
「おまえなぁ、この状況見て分かんねぇ?」
昭は縛られている両手を、軽く挙げて見せた。
「手を縛られてるから、そこのおじさんに『あ~ん』って食べさせてもらった?」
ゴンッ
「痛っ! 両手は反則だよぉ」
縛られた両手のまま軽くグーを作って、痛くない程度の加減で、昭は真輝の頭の上を叩いた。