月の雫 -君と歩む彼方への道-
強力だな。


一瞬で死に至る。



物理魔道なんて足元にも及ばない、強烈な魔道だ。



まともに食らったら、ひとたまりもない。


自分の”死”のイメージを持っている限り、どんな人間でも、どんな生き物でも。



よく助かったもんだ。



「最後の一瞬、生のイメージを投げることができたんだ……」

「そうか……ありがとな」



シルヴァイラはじっとベッドのシーツをみつめたままだった。


その姿は、ひどくはかなげで弱々しかった。
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