月の雫 -君と歩む彼方への道-
(くせになりそうで怖いんだ)


シルヴァイラはそう言ったっけ。



「……なぁ、シルヴァイラ」


オレは、少しうつむいたままのシルヴァイラに語りかけた。


「前から聞きたかったんだ。


おまえ、毎晩、何にうなされてる?

おまえに、何があった?


――おまえ自身のことを聞かせてほしいんだ。


……オレには、その権利があるだろ?」



この胸の痛みと引き換えに。



おまえの苦しみを、聞かせてくれ。

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