月の雫 -君と歩む彼方への道-
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ふらふらと部屋に戻ると、シルヴァイラのスペースはすでにもぬけの殻だった。

誰かがいた痕跡さえ、見事になくなっている。

あの見事な銀の髪の毛1本すら落ちてない。


あいつらしい、完璧さだ。



(それにしても、ずいぶんあっさり出て行くな)


相変わらずそっけない。

オレの戻るのを待って、一言でも言っていけばいいのに。



(それともあいつ――レイジュラが連れて行ったのか?)


クソッ。


空っぽのベッドを呆然と見つめながら、そんな未練がましいことを思っていたら。


バタンとドアが開いて、見慣れた顔が入ってきた。


「おう、まさかおまえと組むことになるとはな。

よろしくな」



顔じゅうにいっぱいそばかすを散らした、人なつっこい顔。

ルカだった。
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