月の雫 -君と歩む彼方への道-

1.声

シルヴァイラの姿を再び見たのは、10日後の集会のときだった。


第9階級は第2階級のはるか後方の席だから、第4階級のころに見た後ろ姿よりずいぶん小さく見えたけど。


見間違いもしない。


深く下げられたフード。

わずかにこぼれる見事な月の雫のような髪。


シルヴァイラの姿が、何列もの研修生の邪魔な肩の間からちらちらと見えた。


そのとなりに、やはり目立つ姿――まっすぐな黒髪をだらりと背中にたらした、レイジュラが見えた。



(シル……)


どうしてるんだよ。


そいつとぺアを組んで。


さぞかし研修ははかどってるんだろうけどさ。



おまえの苦しみは、そいつは理解してくれそうか?
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