月の雫 -君と歩む彼方への道-

3.届く声

(シルヴィ?聞こえるか?)


(……聞こえる)


頭の中に即返ってくる、例のかすれ声。



やった!


やっと届いた!


オレはうれしくて、思わずベッドの上で飛び跳ねてた。




オレはあれから、自分の壁を取り払うのに毎晩毎晩ひたすら自分の心と格闘して。

シルヴィに声が届いたのはあれから7日ほど後のことだった。



(やっとできたのか。

待ちくたびれて、化石になるかと思った)

(……)


こいつの物言いは相変わらずだ。


ちょっとぐらい褒めてくれ。

オレなりに精一杯努力したんだぞ。
< 197 / 288 >

この作品をシェア

pagetop