月の雫 -君と歩む彼方への道-
ルカはにやりと笑い返す。


「おまえみたいな、かわいい顔してるやつが標的になるんじゃねぇの」

「ばか、何言ってんだよ。

気持ち悪いこと言うなよ」


思いもよらぬいらえに、オレはあわててルカをひじでこづいた。


童顔でちょっぴり女っぽい顔なのは、気にしてるんだ。

好きでこんな風に生まれついたわけじゃない。





「それにしても……」


ルカは前方の、ある一点をみつめた。


視線をたどると、深々とフードをかぶった、ある細い背中が見えた。

フードの端から、きらきら光る銀の髪がこぼれている。


「あいつ、何者だろうな」

「……」
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