月の雫 -君と歩む彼方への道-
(おい――)


何だ?

大丈夫か?




オレの内心のあせりをよそに。


そいつはすっと地面に降り立つと。

次の瞬間、シルヴァイラの体に、自分の長い首をすりすりとこすりつけていた。



(……)


オレは拍子抜けして、口をぽかんと開けたままだった。


何だありゃ。


すっかりなついてやがる。




(どうしよう、シレン)


困ったような、半分笑ったような声が頭に響いた。

シルヴァイラだ。
< 208 / 288 >

この作品をシェア

pagetop