月の雫 -君と歩む彼方への道-
「あれからわたしは、どうすればいいかずっと考えていた。


長老や年寄りの魔道士の門を叩いてまわって……

いくつかの魔道を複合的に使えば、望みが叶えられるんじゃないか、という助言をもらった」



オレのかたわらで、シルヴァイラの喉がごくっと鳴った。



レイジュラ……


もしかして、死者を甦らせるつもりなのか?



「レイジュラ……それは」


「大丈夫だ、シレン。

何も死者を甦らせようっていうんじゃない」


レイジュラは軽く手をあげて、穏やかにオレを制した。


「すでに転生している村の人たちの魂を、少しの間ここに呼び寄せるだけだ。


転生先を見極める魔道、魂を呼び寄せる魔道。

……この二つでいける。


それを何とか教わってきた」

「……」

「村人たちの転生先は、今朝までに何とか大体探ったつもりだ。

全員は無理だったけどね」


「……レイジュラ」
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