月の雫 -君と歩む彼方への道-
その朝、シルヴァイラはひどい高熱で寝込んでた。

ひどい頭痛もするらしく、今日は研修も休んでる。


「なんかほしいもの、あるか?」

「ない」


相変わらずの即答。


こいつ、本当はつらいくせさ。

ペアであるオレを頼ろうとしない。


なんてかわいくないやつなんだ。

ここは素直にオレを頼れよ。


「いや、ここにいる」


オレはついつい意地を張って、自分のスペースから椅子をガタガタ引っ張ってきて、シルヴァイラのベッドの横に座った。


「椅子を引きずるな。やかましい」

「……」
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