月の雫 -君と歩む彼方への道-
「おまえがいたら気になって休めない。

さっさと行け」


シルヴァイラは寝返りを打って、ぷいと向こうを向いてしまった。


「なぁ、シルヴィ」

「……勝手に愛称で呼ぶな。

慣れ合いはキライなんだ」


相変わらずの冷たい言葉にも、オレはひるまずに続けた。


「……これから1年半以上、オレたちペアなんだ。

わかるだろ?

長老たちが決めてくれたペアなんだ。

お互いがもっとも成長できるようにって」

「……」

「協力して敵を倒さないといけないし、最後には実地研修もある。

知らないかもしれないけど、そのうち辺境や砂漠にだって、ペアで行かないといけないんだ」
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