☆たったひとりのスーパースター☆
声の録音がひとまず終わったら、もうすっかり夜だった。

エリと二人で何か食事を買いだしに行くことになって、背筋が伸びた。



「はぁ~ナナちゃん本当にゴメンネ」



「迷惑かけて、エリ歌下手だから」

「いや、あれは緊張するよ」

「ね~でも和音さんおもしろいし、
いっしーも気使ってくれてるし、頑張らないとね、



──ちょっと沈黙があった。


でも、ほんとにゴメンネ」


こっちのゴメンネは、ちょっと重たい気がした。

「エリ、そうちゃんとのことも、いっしーのこともいきなりメールして」

「あ、うんちょっとびっくりしたよ」

全然ちょっとじゃないんだけどね。

「そうちゃんにはね、振られたの」
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