ハンカチ落としましたよ

タカシの人生

タカシは今まで
誰にも頼らずに、


極力自分の判断で


行動してきたことを
なにも悪いとは
思わなかった。


現に、実際に
それでよかったことが
たくさんあって、

友達もそこそこいて、

人が困ったことがあると
手伝ったり、
どちらかというと
協力的な方だった。


でもそのタカシも


最近なんだか
充実感に
乏しくなってきている
感じを受けていて、


どうにもこうにも
なにかしっくりと
来ないことが
多くなってきた。

(いったい
なにがそうさせて
いるのだろうか?)



日々、1日1日の時間が

なんとなく
足りていないような
気がする・・・。



そんな気持ちを
持ちながら
タカシは
毎日を過ごしていた。



その漠然とした不安から

タカシの気持ちは
右肩下がりになっていった。



本人は努力を怠らずに
頑張っているのに、
なんとなく
ブルーになっていく。



それは収入にも
反映していて、
給料も下がってきて
いるからだろうか・・・。




もっと明るく、
積極的にと
思っているのに、
なぜか気持ちと裏腹に
右肩下がり・・・。


給料も生活もなにもかも
右肩下がりに
なっていく・・・。




なぜだ!




家族もいるし、
やはり自分の小遣いを
削られても、
子供だけは
ちゃんと生活させてあげたい
と思うのが親であり、

父親であると
わかっているけど、
こうも不景気では
なんとも
困ったことに
なるのがオチである。



妻に

「ちなみにうちの貯金は
いくらあるんだろう?」


って聴こうとも思ったが、
金額を聞いて
愕然とするのもいやだし、
妻もそれなりに
家計を
やりくりしているようだ。



少しはおしゃれを
させてあげたいが、
それも本人は

「そこまでおしゃれも
出来ないし、する必要も
ないでしょ」


とまあ、出来た女である。
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