唄を聞かせて
たっくんが引っ越したのは、冬休みに入ってすぐのことだったらしい。

ならば、あの日聞いた声は、私の幻聴だったのかもしれない。

そう思い始めた矢先、一通のはがきが来た。


見覚えのある、几帳面な字で「後藤 卓」


はがきにはひとこと 



―時の止まった僕ら― 



と書かれていた。




.

< 13 / 17 >

この作品をシェア

pagetop