秘密のカンケイ
「さっさく?…どうした?」
そうわたしの頭に手をのせる先輩。
「ホントのこと言ってください」
一度溢れたら、もう止められなかった。
自分の中にくすぶっていたものが後から後から流れ出てくる。
「好きなんでしょ?ねぇ…先輩…。奏さんが好きだから、呼んだんでしょ?今も…ねぇ、ウソつかないでぇ」
自分では筋道たててしゃべってたつもりでも、きっと先輩は理解できてなかった。
こんな喋りじゃ理解できないよね、普通?
でも先輩は優しいからそんなわたしの言葉でも理解してくれた素振りをする。
「そっか。呼んでたんだ、俺。」
「そうだよ。先輩は…いつも…いつも…。傍にいるのはわたしなの…に…。なんで…」
先輩の枕は見なくてもわかるくらいびちょびちょに濡れていた。
わたしの汚いところが全部洗い流せればいいのに。
この涙と一緒に全部。
そうしたら、奏さんを想う先輩の全てを包み込んであげられるのに。
そうしてあげたかったのに。
今のわたしにはそんな余裕がない。
今のわたしは先輩を責めることしかできない…