秘密のカンケイ

部活が嫌いで辞めたわけじゃないから、久しぶりにみんなに会えるっていうのは楽しみ以外なかった。



茜と別れて路地に入ってすぐのところに見覚えのある自転車が壁に沿って止めてあって、サドルに道路側に向かって座っているハルの姿を見つけた。


そのちょっと手前くらいからだんだんとゆっくりになって、ハルの真横に完全に止まった。


「なにしてるの?」

「帰り道」

「…」

ほう、帰り道。


ハルの家は逆方向では?




「そう」


でも突っ込むこともめんどくさくてそのまま話を流した。


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