不機嫌な果実
今日は、いつも以上に相澤の腰の動きが激しい。
普段、冷静沈着な相澤からは縁遠い、どこか野獣めいたものを感じる。
これが「本能」というものだろうか。
きちんとプレスされたスーツにネクタイ姿の相澤からは想像し難い「雄」の匂いを感じさせる。
額に迸(ほとばし)らせる玉のような汗。
首筋に宿る汗までもが、爽やかに感じてしまうのは何故だろう。
麻紀は、狼に捕われた子羊のような感覚に襲われていた。