空からのラブレター
「…」

美奈は、私と宗吾さんを二人きりにしてくれた。

ありがとうね。美奈。

「結衣。大丈夫か?」
私は頷いた。
大丈夫だよ。宗吾さん。
私、元気だからね?心配しないで。

「無理はするなよ?」
大きく頷いた。
大丈夫だから。

「ぁ…」

読唇術…かな。

「ぅ…」

「結衣、やって欲しいことあるか?」

何でもやるぞっ!と元気いっぱいに言った宗吾さん。

…言ってもいいかな。
喋ると辛いから、私は紙に書いた。

…一生のお願い…

もう時間は、砂時計だ。
あっという間に、流れ落ちてしまう…
死ぬ前に、ひとつだけ…お願い聞いて?
最初で最後。

《キスして?》

困るよね。けどね、これだけでいいの。
これだけあれば、もう何もいらないの。

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