美少女戦士 イグニス・ドラグーン・ユイ!
 【すこぶる機嫌の良い日…?】
 

 「競馬に勝ったとか」
 

 【競馬に勝った…?】
 

 「うん、ともかく。
 達也くんにとって、あ、その子の名前ね、
 達也くんって子にとって、この図書館は唯一の心の拠り所だったんじゃないかしら?
 見たこともない動物の図鑑とか、魔法と冒険の本。
 売店で食べたカレーパン、上機嫌の優しい父親…。
 
 きっとそういうのが、図書館に詰まってるのよ」

 美奈子は一息にそうした推測を述べました。それだけに、それは美奈子の記憶だったのかもしれません。


 『闇竜』は暫く考えていましたが、やはり、その事について何も語らず、ただ【…それで父親は?】と訊ねただけでした。

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