美少女戦士 イグニス・ドラグーン・ユイ!
 ユイが見た夢は、夢というよりは“思い出”に近いものでした。
 飛び抜けてリアルではありますが、どうも実感が無い…。やっぱり、『幼少期の頃の記憶』に、そっくりな感覚です。
 
 ともかく、ユイが見たのはこんな夢でした。

 ………

 「ここは、どこだろう?」

 ここは新バビロニア。
 『新』と付きますが、2500年は昔の世界です。
 中学生のユイには、「チグリス・ユーフラテス文明」と説明するべきでしょうか?
 もっとも、勉強の苦手なユイは「四大文明」すら、うろ覚えでしょうけど…。
 
 ………
 
 「おっきな搭…」
 
 遠くには、雲にも届く、巨大な搭が見えます。


 「東京タワーの三倍ぐらいありそう…」

 「すごい…」


 ユイは夢である事を忘れて、その塔に、見惚れていました。

 ……しかし耳を澄ますと、なにやら様子が変です。人々の悲鳴と、投石機の轟音が聞えるのです。

 「戦争…?」
 「搭を攻撃してるの?」

 ユイは、いえユイの視点は、自由に空を飛び、スゥーッと近付いて行きます。

 ………

 初めユイは、搭を襲っている生物を鳥だと思っていました。
 しかしよく考えれば、鳥にしては、大きすぎます。搭を襲っているのは…
 
 「―――!! ドラゴンだ…!」

 そう、竜だったのです。


 数十匹の竜がその巨大な搭を襲っているのでした…!
< 24 / 447 >

この作品をシェア

pagetop