美少女戦士 イグニス・ドラグーン・ユイ!
 そう…私も見た…!

 雲の城を溶かし、全天を覆わんとする赤い巨体を見たんだ…!

 「…美幸…。美幸…」

 ユイは何ら思考を巡らせる事も出来ず、絶句のうちに、ただ美幸さんの手を握り返すしかなかったのでした。


 もちろん少女達の夢の一致とは、世界にまだまだ存在する、素敵な不思議かもしれません。
 しかし2人は…それが単なる“奇妙”ではなく、邪悪を孕んだ“必然”である事を、本能的に感知していたのです。

 「ユイさん…」

 2人は手をとり合い、見つめ合うしかありません。

 まるでそう、生まれてきた事に戸惑い、世界そのものに恐怖して、身を寄せ合っているクローン羊の兄弟のように、2人は重ね合った手をしばらく離すことなど、出来なかったのでした。
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