執行猶予3年


そのあと、
部長は自分の恥をさらすかのように、
慌てて警察に電話した。
馬鹿みたいに、
「松永に怒られちゃいました」
とか言いながら、
笑ってる。

こいつはみんなの殺気が分からないのか。

頭に血が上ってた。
民家の事を抜きにしても、
ムカついた。
この野郎。

こんなにも世の中ってのは不条理なのか!
弱いものは、
権力の下で、
何をされてもいいのか。

俺は、
気づいた時には、
ナース室の中にある、
果物ナイフを手にしてた。


ぶっ殺してやる。


「やめなさい。
そんなことしても、
貴方の得にはならないわよ。」


泣けてきた。
悔しくって悔しくって、
泣けた。

泣きながら、
民家に謝られた。

「まっつんに、
嫌な思いさせてごめんね。」


お前の為だけじゃない。
俺のプライドとか、
其れが許さない。


悔しいけど。
これが現実だった。
其れが社会の摂理だった。

これでもかってくらい、
社会の酸っぱさを知った。




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