執行猶予3年


「そんなことされたのか!?」

しわしわのおじいちゃん。
そんな感じの阪野さん。
しわをもっと深くして怒ってた。


「今日は、
もう帰っていいぞ。」

「でも、お金ない…。」

「今日の給料は、
ちゃんと出るようにしてやる。」

「はい。」

「原。お前送ってやれ。
給料は出るから。」

「別にいいですよ。」


原が送ってくれるらしい。
が、俺の腹の中は収まらない。

「阪野さん。
俺、この現場、
もう来たくないです…。」

「だろうな。
悪かった。
俺がもっと目掛けしてれば。」

「いいんです。
すみませんでした。」

俺は、
荷物をまとめて、
原と現場を後にした。
昼間の好いた車内。
現場の恰好で乗るのは、
些かは恥ずかしい。

そして、
原とも気まずい。



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