執行猶予3年

業者のお兄ちゃんたちが仕事してる廊下。
見抜きもせずに、
走った。

正直怖かった。
目からは涙。
悔しいやら、
怖いやらで、
涙が止まらない。

触られた体が、
気持ち悪い。

マンションのはずれにある、
トイレの個室に逃げ込んだ。
震える手で、
電話した。

『どうした~?』

「原!
職長に…ぅえっく。
体触られた~~!!」


それから3分もしないうちに、
原は来てくれた。

「大丈夫か?」

「大丈夫じゃない。」

原の顔を見る頃には、
俺の顔は、
見るも無残に涙と鼻水まみれ。
便所に座り込んで隠れてた。


「職長が、
ブチ切れてお前の事探してる。
俺んところにも電話着た。」

「知らねえよ~。
もう、顔も見たくない。」


原は、
困った顔して、
携帯をとった。

「だめ!!
職長呼ばないでよ!」

「あ、阪野さんですか?
松永見つけました。
ちょっと事情あるんです。
職長なしできてもらえませんか?」

原。
お前ってほんとにいい奴だな。

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