NO TITLE
結局、父ちゃんに言われて来たとしか話さなかった。
そしてしばらく泊めてほしいと頼んできた。
陸の表情や言葉に嘘はないと想ったし、断って野宿されるよりはましだと想った。
陸は朝起きて、軽い朝食を一緒に食べた後、ずっと外かテレビを眺めていた。
まるで不思議なものを見るかのように。
動くものをずっと目で追いかけていた。
猫だ、コイツは。
どっかに出かけて帰ってきたと想ったら
「公園で日向ぼっこしてた」
なんていう返事が返ってくる。
テレビの前でうずくまっていると想えば、うたた寝をしていた。