初恋のキミへ。


俺の朝は女からの電話から始まる。

日に日に違う女だけど、

声だけで分かっちゃう俺。

そして今日も女は俺を起こすために

電話をかけてくる。


「もしもーし!モト〜?」


「あぁ。起きた。わりぃな美樹」

「全然っ!ちゃんと学校きなよ」

「おー。じゃあな」


「うん!また学校で」


毎朝この会話で始まる。

違うのは女の声だけだ。

いつもなら二度寝しちまうけど今日は目が覚めてる。

「久しぶりにタケと行くか」

そう思い、タケに電話をかけた。

タケっていうのは俺の親友。

こいつも女癖わりぃけどいい奴だ。

「はーい」

「俺。今日一緒いこーぜ」

「おぉ。じゃあ駅前な」

「了解」


タケとの電話を切って身支度をする。
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