初恋のキミへ。
「…手編み?」
それは未波が編んでくれたであろう、黒と白のマフラーだった。
「初めて編んだから下手くそだけど……
本当は手編みなんてしないつもりだったんだけど、元輝薄着だし、今までの感謝の気持ちと愛情こもってるから…」
「すっげー嬉しい。ありがとな?
じゃあ俺からも…」
言いながらポケットから小さい箱を取り出し、中身を未波の右手の薬指にはめた。
「…一応ペアだから。
右手なのは、もしお前が帰ってきてお互いまだ想い合っていたときのために左はおあずけな」
そう言うと未波は瞳を潤ませた。
「…ありがとう。嬉しい」
「もし、向こうでお前を幸せにしてくれるやつができたら…捨ててくれていいから…」
「捨てられるわけないよ…
元輝も…あたし以外の大切な人ができたらちゃんと外してね…」
「ん…分かった」
そう言って深いキスをした。
「…ちゃんと大切な人見つけてね?
絶対、幸せになって…」
「…分かってるから。ちゃんと見つけるから心配すんな」
「ん…」
それからあっという間に時間は過ぎて1泊2日の旅行は終わった。