初恋のキミへ。
毎朝、駅前で待ち合わせ。
だいたいいつも私が遅れてしまう。
「ごめんっ桃花!」
「おはよ!未波。私も今来たとこだし」
そう言って、笑う桃花はやっぱり可愛い。
「朝って苦手なんだよね」
「そんな感じするよ?未波は」
「なんか馬鹿にされてる?」
「してないよ〜…あっ!!!」
突然大声を出した桃花に驚きながら
桃花の視線の先に合わせた。
「どうかしたの?」
視線の先には2人の男。
「あ!未波は知らないんだよね。
あの前にいる2人!
特に右側の元輝くんって言って
この学校で1番モテてるの。
普段こんな朝から登校しないんだけど
きっと今日は女子達の気合い入りまくりだよ」
「何で気合い?」
「えっ!?あの2人見てなんとも思わない?」
「全然」
「初めてだよ…
普通なら見ただけで惚れちゃう子が多いの。
特に元輝くんは彼女作らないけど
遊びならって来るもの拒まずな人だから
それ分かってて近づく子が数え切れないんだよね」
「ただの女好きじゃん」
「それでも彼の魅力には
誰にも勝てないんだよ」
「ふーん」
「本当に興味ないんだ?」