ヒメ恋~Last Love~
あたしが海里の側を離れたから、だから彼女を作ったの?
じゃあ、今まで彼女がいなかったのは、あたしが側にいすぎたから?
あたしはずっと、海里にとって邪魔な存在だった?
海里の側を離れるんじゃなかった。
今更後悔してもどうにもならない。
過去は変えられない。
「美海……美海は悪くないから、自分を責めないで?」
菜月があたしを強く抱きしめる。
菜月……
あたしのために泣いてくれてるんだ。
「菜月、泣きすぎ」
泣いていたはずのあたしは、いつのまにか笑っていた。
菜月の優しさが嬉しくて。
あたしはその優しい涙で救われる。