【完】イケメン生徒会長は俺様!?
美綺はお化け屋敷が怖いくせに、強がって「怖くなんかないよ!」なんて言ってやがった。



俺たちがお化け屋敷に入ると、美綺は俺の腕にしがみついてきた。



でも、そんな美綺を可愛いって思ってしまった。


俺って単純だよな。



その後、美綺は元気になったみたいだから安心した。



正直、あのまま機嫌が悪くなったらどうしようって思ってた。



美綺は子供みたいにはしゃいでいた。



「流二、お腹空いたぁ。なんか食べよう!」



美綺は俺の服の裾を引っ張ってそう言った。



「そうだな。なんか食いたいものあるか?」



俺がそう聞くと美綺は「んーっ。オムライス♪」って答えた。



「じゃ、行くか」



「うん!」



俺たちは遊園地内にあるレストランへと向かった


でも、その時だった。



「あれっ……美綺?」



俺たちの後ろで声がした


声の主に気付いた美綺は、後ろに振り返った。



「えっ……拓哉?」



美綺は目を見開いてその男をジッと見つめた。



「やっぱ美綺じゃん!久しぶり」



「……久しぶり。元気だった?」



美綺はそう言うと、俺の服の裾を離してその男から目を反らした。



なんか……美綺の様子が変だ。



なんか、おぼつかない顔をしてる。



というよりかは……悲しそうな顔をしているように見える。



「隣りのヤツ、彼氏?」


「……うん」



美綺は俯いたまま頷いた


「そっか」



「拓哉は……一人なの?」



美綺は途切れ途切れに言葉を発した。



「いや。ダチと一緒だったんだけど、ダチがいなくなっちまってさ。今、探してる所なんだよ」



拓哉って男はそう言った


「そうなんだ……頑張ってねっ」



「おう。じゃあな」



「……バイバイ」



美綺は俺の手を握って歩きだした。



美綺の様子がおかしい。


過去になにがあったんだ?……もしかして、あの男が関係してるのか?



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