【完】イケメン生徒会長は俺様!?
さっきの出来事があってから、美綺はすっかり元気がなくなった。



暗い顔をしてる。



お昼を食べようと店に入ったけど……さっきまではしゃいでいた美綺の顔は、すごく悲しそうな顔だった。



俺がオムライスを食べていても、美綺のオムライスは一向に口に入る様子はなかった。



ただ、オムライスを混ぜているだけ。



しかもなにかを話す訳でもなく、ただオムライスを交ぜて居るだけ。



「美綺……食べないのか?」



俺は美綺に問い掛けた。


「なんか……食欲ない」


美綺はそう答えると、下を向いた。



さっきまではしゃいでいた美綺の様子からして、考えられない。



俺は美綺にさっきからずっと気になっていたことを聞いた。



「美綺……さっきのヤツ、誰?」



そう聞いた瞬間、美綺のオムライスを混ぜている手が止まった。



「なぁ……さっきのヤツ誰だ?」



それでもなにも言わない美綺に、俺はもう一度問い掛けた。



「……元カレだよ」



美綺は短く答えると、グチャグチャになったオムライスを口に入れた。



「でも、なんか怯えてなかったか?」



「…………」



美綺はその質問に答えず、ただ黙り込んでいる。


「アイツと……なんかあったのか?」



「……別に」



これ以上余計な詮索はしない方がいいと思った俺は、それ以上なにも聞かなかった。



店を出た後、観覧車を乗りに向かった。



でも美綺はさっきとあまり変わらなかった。



ただ一つ変わったことは……美綺の方から俺の手を握ってきたこと。



俺は美綺の手を握り返すと美綺は少し苦笑いした


観覧車に乗ると、俺は美綺を抱き締めた。



「……流二?どうしたの?」



「なんで、そんな悲しそうな顔してんだよ」



俺はそう言うと、美綺を更に強く抱き締めた。



「……え?」



「過去になにがあったら知らねーけど……俺の前では、そんな悲しそうな顔すんなよ」



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