【完】イケメン生徒会長は俺様!?
「……うん」



あたしは静かに頷いた。


「立てるか?」



拓哉はそう言うと、あたしの腕を掴んで立ち上がらせた。



あたしは涙を拭うと、拓哉の顔をそっと見た。



「怪我、してないか?」


拓哉はあたしにそう問い掛けた。



「……うん。大丈夫」



「そっか」



「あの……神崎君」



「ん?」



「ありがとう……助けてくれて」



あたしは軽く微笑んでそう言うと、拓哉は少し顔を赤くしていた。



これが……あたしたちの出会い。



そして、それから自然と仲良くなった。



でも、そんな拓哉に……あたしはどんどん惹かれていった。



そして中学2年の時……拓哉に告白された。



「俺、お前が好きだ。俺と付き合って欲しい」



「……うん」



告白された時、純粋に嬉しかった。



両想いになれたから。



それから毎日がすごく楽しかった。



拓哉は不良だけど……あたしにだけはすごく優しかった。



どんな時も……なんかあったら、いつだってあたしを守ってくれた。



拓哉は意地っ張りで、バカで、単純で、素直じゃなくて。



でも、一途で強引で、喧嘩が強くて。目立つけど、カッコよくて、強くて……いつだって、あたしだけを想ってくれてた。


あたしは、そんな拓哉がほんとに好きだった。



誰よりも……大好きだった。



だからずっと側に居られるって信じてたのに……まさかあんな出来事があたしたちを引き裂くことになるなんて、この時のあたしは思ってもいなかった。



ねー……なんであたしたち、あんなことになっちゃったのかな…。



もし、あんなことにならなかったら……あたしたちはまだ続いてたのかな?



あたし……今でも覚えてるよ…。



あの時のことが忘れられないの…。



ごめんね拓哉……あたしのせいであんなことになって。



ほんとにごめんなさい。


……でもね、許してもらおうなんて思ってない。


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