【完】イケメン生徒会長は俺様!?
そして、夕方ごろ美綺が戻ってきた。



「ただいまぁ」



「おかえり」



俺は玄関で美綺を出迎えた。



「あっ、出迎えてくれたの?」



「ああ」



「ありがとう」



「気にすんな」



俺は美綺の頭に手を乗せた。



「子ども、順調に育ってるよ」



「そっか」



「うん。もうすぐ産まれるね」



美綺はお腹に手を当てた



「ああ…」



「楽しみだね」



「ああ」



「流二は男の子と女の子だったら、どっちがいい?」



美綺が俺に視線を向けて聞いてくる。



「まぁ、どっちかと言えば男かな」



「やっぱり。言うと思った」



「美綺は女だろ?」



「当たり前じゃん!女の子だったら、恋バナとかいっぱい出来るしね」



あたしはそう言ってニコッと笑った。



「フッ……単純だな」



「いいじゃん」



「はいはい」



「ねー流二」



「ん?」



「あたしね……ちょっと不安なんだ」



「え?」



「子ども産むの……少し怖い」



「……大丈夫だ。俺がついてる」



俺は美綺の頭を軽く撫でた。



「流二…」



「大丈夫だから、お前は元気な子ども産むことだけ考えろ」



「……うん」



「不安だったら、俺がずっと側に居てやるから」



「うん…」



「安心するまでずっと側にいてやる。……だから不安にならなくていい。なんにも心配しなくて大丈夫だから」



俺は美綺をギュッと抱き寄せた。



「……うん。ありがとう」



「俺はお前の彼氏で、子どもの父親なんだから。ちょっとはお前の役に立ちたいんだよ」



「流二、ありがとう。元気出た」



「そっか」



「ほんとにありがとう。……そうだよね、あたしは母親だもん。母親のあたしがしっかりしなきゃね」



「ああ。俺がしっかり支えてやるから」



< 528 / 698 >

この作品をシェア

pagetop