シャボン玉 *eternal love*



そんな不安気な彼女の姿を見たマーくんは俺をまじまじと見てくる。



「愛斗は真面目だから心を襲ったりしないだろ?」


「当たり前です」



何、バカなこと言ってんだよ。冗談だろうが冷静に返す俺を見て、マーくんは笑いながら準備室に入って行った。



そして……二人きり。



静まり返る化学室。




「あの……私一人で大丈夫だからいいです」


「あのさ、何で敬語なわけ?」


「え?」


「先生にはタメ語で俺には敬語っておかしくない? 普通逆だよね?」



マーくんは教師の中でも若くてイケメン。


生徒の名前も全員覚えていて、下の名前で気さくに呼ぶから男女問わず人気がある。



若いマーくんには普通に会話を交わせるってことは男嫌いってわけでもなさそうだし……もしかして……






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