となりの太郎君
テレビもつけない、静まり返った部屋…
壁に掛けた時計の秒針の音だけ響く…。

携帯に貼った中井君とのプリクラを見つめていた。


何で、荻野さんなんだろう…。

何で、中井君じゃないんだろう…。


繰り返し、自分に問い掛けていた。


ファミレスになんか行かなきゃ良かったと後悔をしていた。

行かなきゃ、荻野さんの事知らずに済んだのに…。


行かなきゃ、中井君を裏切る事なんてなかったのに…。


でも……もう遅いんだ…。

動き出した時計の針の様に、進むだけ。

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