【短編】あたしとバカと自縛霊
也久は幽子さんが好きだ。


確たる証拠はない。けどわかった。あえてそれを求めるなら女の勘って奴だろうね。


也久が幽子さんの話をする時は本当に楽しそうに見えた。


脳の中から幽子さんの情報を引き出す際ついでに笑みまで付いてくるみたいに、いつも、本当に……。


思い出すだけであぁ、ムカつく。


それを聞く度に、見る度に胸が締め付けられるみたいに痛くて、苦しかった。


それを自覚した日から、あたしは幽子さんが嫌いになった。
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