俺様の飼い猫。
受信ボックスには、メルマガ2件と、友達からのメールが1件入っていた。
メルマガを無視して、友達のだけを開いた。


送信者:高杉葵
 件名:Re:
 本文:おはよー^^★
    ちゃんと送ってもらった?
    まぁ、あいつの兄ちゃんだから、大丈夫でしょ!

「あいつの兄ちゃん…?」

昨日の記憶がなんとなくよみがえってきた。
昨日、10時にバイトが終わって、それから葵に誘われて葵の彼氏ん家で飲むことになったんだった。
女の子は、あたしと葵と、依香。
男の子は葵の彼氏と、葵のお兄ちゃんとあとは…忘れた。
そのお兄ちゃんが御堂さんだった。
1人暮らしだし、ちょっとはめをはずしたくて、超弱いお酒に手を出しちゃって、チューハイ2缶開けたくらいで記憶がない…。

「まじ…?」

幸い、今日は土曜日で学校もないし、バイトも夜から。
リビングの床に座り込んでただ呆然としていた。
帰りたいけど、1ヶ月前に引っ越してきたばかりのあたしには、ここがどこかわかんないし。
少し落ち着いてきて、何気なく周りを見渡せば、思いのほか広い部屋に気付く。

「1人暮らしかな…?」

洗面所に行くと、歯ブラシがコップに1本入っているだけだった。
それを確認して、なぜか安心している自分がいた。
よく考えてみれば当たり前だ。
彼女と2人で暮らしている部屋に見知らぬ女なんて泊めるわけがない。
それに、さっきキッチンを見たとき、いかにも料理しそうには思えなかったし、彼女がいたら、朝食コーヒーだけじゃ済ませないだろうし。



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