この想いを君に…3
結局、あたしは辞めなくて済んだ。



そして今は。

みんながあたしの元に来てくれた。



「俺もレース見に行きたいなあ」

「じゃあ行こうよ!」

奈々は男子を誘う。



「あ!でも…!!」

あたしは両手を振った。

「今度のはあたし、出る確率低いから。
多分あたしは雑用してるし…」



奈々は少し頬を膨らませて

「でも、わかんないでしょ?
それに大きな大会なら見てみたい!!」

「ま…まあ世界大会の一環だけど」

奈々はニッコリ笑って

「じゃあ、行く」



他にも何人か来るって言ってくれた。






みんながワイワイ騒いでいる中、あたしは色紙の中に貼られている拓海くんを見つめた。



拓海くん、これってひょっとして拓海くんのおかげかな?



大切なものを、ありがとう…
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