この想いを君に…3
「光さん、やるねえ」

祥太郎は声をかけて光さんと拳を当てた。

「お前はもっと速いタイムを出すだろうけど」

光さんは笑った。

「…まあ、出す自信はあるけど」

祥太郎も微笑む。

「俺も光さんに負けないように頑張ろうっと」

そう言って祥太郎はモニターを睨んだ。

今、祥太郎の敵とも言える北さんが走行している。

多分、今、一番負けたくない相手。

光さんに負けてもまあ、いいかと思えても北さんには絶対にそうは思わない、と言っていた祥太郎。

見つめる目は鋭かった。
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