白衣の悪魔に恋してる
大好きな人だもん。



こんな気合いの入ってない、



グシャグシャのあたし見られたくないよ。



「はぁ…。だったらさぁ…さっさと早退しちゃいなよ。ってか朝から熱あったんなら休めば良かったじゃん!!」



そうなんだよね。



朝から熱っぽかったし…



休めばよかったんだよねぇ…



「でも…」



「でも?」



あたしは突っ伏したまま、半ば呆れたような声を出す由奈をチラっと見た。



「先生に会いたかったんだもん。」



「は?」



「明日土曜だし…今日会わなかったら3日もケイ先生に会えないんだもん…」



そう。



相手は“先生”だから…



友達じゃないんだから…



今日会わなかったら次会えるのは月曜日…



「3日も会えないなんて…あたし…死んじゃう…」



「なわけないじゃんっ!!アンタ、春休み中1回も先生に会ってなかったけど、元気にバイトしてたじゃん!!」



「うっ…」



そーだけど…さぁ…



「会いたかったんだもん…」



あたしは大きなため息をつく由奈からプイッと顔を背けると、



「会いたかったんだもん…」



頬を膨らましながらボーっと窓の外を眺めた。

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