せぴあなタメ息

決断の吐息



      ※


ホールのざわめきから切り離される。
 
類の名前を叫ぶ声が聞こえる。 
 
類は無音の中から呼び覚まされて、

声がした方へ向かって微笑んだ。
 
きゃーっ
 
声が漏れる。
 
これが、

ステージの上なんだ。
 
類は再びステージの上にいた。
 
派手なキーボードの音で、

演奏が始まる。
 
それに飲まれない類のヴォーカルが、弾ける。
 
その声量と、

魅力的な軽いハスキーヴォイスで客の意識を掴み取る。
 
ここにいる全てのヒトの、
 
意識も
 
空気も
 
   
支配する









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