メガネで無口な王子様
翌日。
「おはよー☆
杏里っ☆」
「……おはよ。」
昨日の悠斗くんのことで全然寝れなかった…。
「……杏里…??
大丈夫??具合悪いの?」
瑠璃が私の異変に気付いて心配してくれた。
「大丈夫…!
…寝てないだけ…。」
「……あんまり無理しないでね?」
「うん。ありがと。」
でもちょっと寝てないだけにしては、体が重いかも……。
風邪引いたかな……。
「やっぱちょっとダルそうだよ…?
保健室行ってきたら??
波多ピーにつれてってもらいな。」
「……大丈夫だよ…
心配しないで…」
「だーめ!
波多ピー!!杏里を保健室へっ!!」
大声で波多野くんを呼ぶ瑠璃。
恥ずかしいよ……υ
「俺がつれてく!!」
そう言って立ち上がったのは、悠斗くんだった。
「……行こっ!杏里ちゃんっ!!」
悠斗くんに右腕を捕まれる。
ガシッ。
私の左腕を掴んだのは。
「………保健委員の仕事だから。」
波多野くんだった。