硝子色の音
儚の女の子
宮城夢子。
こう書いて みやぎゆめこ と読む。

勉強も運動も、至って平凡な女の子。 
サラサラにケアされている焦げ茶色のショートヘア。
リボンさえもない無印の白のセーラーの制服は「ダサっ!ありえないんだけどぉ~」 とよく言われているが、彼女はよく着こなしている。
比べてみると----・・・

今窓際に立っているギャル集団のリーダー、確か名前は鈴那、リンナだ。
明らかにヘアアイロンだか知らないが、そんなのを駆使しているパサパサに傷んだ髪。そして性悪オーラを放つつり上がった目。
夢子の目はきれいな二重に大きな瞳。
もとから赤い唇に薄く薬用リップがのっている。
鈴那はと言うと、テカテカに光るグロスをベッチョリと塗りたくっている。
大きなお口をあけて下品に笑うのが見ていて見苦しい。
少しは夢子を見習えばどうだ。
「エフ組女子、並んでくださぁい!」
と、天然の分際でありながら学級委員長というのも非常によい。

キーンコーンカーンコーン。

「はぁ・・・。」

その日は彼女のため息から始まった。    
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