ふたり
結
それは
受け入れられないよ
せめて希望は捨てないで
出来る限りの事をしようよ
「……う……、しゅう……
…う………柊!!!!!」
―――――――――ハッ
「………え、っと………」
気がつくと職員室の自分の席
隣で高野先生がオレの顔をのぞき込む
「最近、おかしいぞ。柊」
高野先生は首を傾げ
「夏バテか?」と訊いた
あの雨の夜から
オレは脱け殻だった
どこにいても
耳鳴りは止まないし
結の言葉が頭から離れない
「なぁ。柊。夏バテ解消に飲みに行くか?」
高野先生は白い歯を見せて笑いながら
「でも、可愛い可愛い女房が………なんて言うんだろ?柊」
「…………行こうかな」
オレの言葉に
高野先生は「え?」と驚いた
「たまには、行こうかな」
「……お、おぅ。行こう、柊
たまにはオレに付き合え。うん」
結が1人で家にいる
オレを待ってる
でも ごめん 結
帰りたくない