ふたり
ちょっと髪の薄い
猫背のお医者さんが
一通り診察したあと
「風邪だね。解熱剤と抗生物質出しますから」
机の上のパソコンのキーボード叩きながら言った
風邪
それは私もわかってるよ
心の中で呟いて服を直してると
「病気とは無関係だから安心してね
あなたも大変だね………」
医師は
珍しい物を見るような目を
私に向けた
「………病気…?」
私が医師の言ってる意味がわからない
「こんな奇病と呼ばれる物にかかっても、挫けずにいるなんて……」
私を励ますように医師は何度かうなずいた
「……奇病……」
この先生は何を言ってるんだろう
そう思って ただ先生の髪の薄い頭の方に視線を向けると
「薬の効果はどうですか?
逆行は抑えられてますか?」
………逆行?
「……先生…何の話をしてるんですか?」
私の言葉に
医師はきょとんとして
「まさか……あなた自分の病気を知らないんですか?」
そう言ってから
口を片手で押さえて
しまった と言う表情をした