好きと言えたら
そこに広がるのは大ちゃんとあの人のキスシーン。
「大ちゃんも同じ気持ちだったんだ…」
この日以来、私は大ちゃんの部屋に行かなかった。
「あんた最近大ちゃんちに行かなくなったわねー。朋子ちゃん寂しがってたわよ。」
「私も受験で忙しいの!大ちゃんだって学校にバイトに忙しいじゃん。朋子おばちゃんにはまた会いに行くよ。」
そんなの嘘。
大ちゃんにいらないって言われたくなかったから。
あの人を彼女だって紹介されたくなかったから。
いつだって大ちゃんは妹としてしか見てくれなかった。
会えば嫌でも認めなければいけない。
それが嫌だった。