君、想う刻
「……朱音聞いてる?」
廣瀬が顔を覗き込む
「聞いてる!!」
「ふ〜ん……
あっ隼人の家に着いたよ」
車が止まる
白い大きな家に君嶋隼人がいた
「おはよう……
朱音ちゃん俺の車に乗らない?
いいでしょ優」
まだ挨拶もしてないのに君嶋隼人は物事を進める
「……なん」
「借り」
「分かったよ……
でも朱音に変なことするなよ!!」
廣瀬は先に車に乗り私は君嶋隼人の車に乗る
何だろう借りって
「俺ねずっと気になっていたことがあるだ」
「なんですか?」
「なんで朱音ちゃんは優のことを廣瀬って呼ぶのかなって」