ボーダレスラブ

初デート




「えーーー!!!!」
今の声は、奈緒の叫び声。
昨日のことを報告したら大声だした。

とにかく、奈緒がおちついてよかったやんと言ってくれた。





「これでうちらでWデートできるやん。」
意気揚々という奈緒。Wデートか〜。ちょっとしてみたいかも。
などと意気揚々と話が進む。


「そういえば、陽子って初彼やんな?」

「うん。」

今までことごとく片思いだからね。

「デートしたことないんちゃうん?」

「うん。」

「デートする時はうちらにいいや。服とか色々考えたるわ。」
満面の笑みでいわれたら、ちょっと怖い。

「ありがとう。」


今日一日は話をいっぱいしたからあっという間に放課後。

今日も掃除当番だから奈緒たちには先にかえってもらった。





「ふぅー。やっと、終わった。」

綺麗にしすぎたかな?
時計を見てみると4時30分だった。
30分も掃除してたんだ(笑)とりあえず帰ろう。

荷物を持ち、教室を出ようとしたらドアが開いた。

「あっ、垣内さん。まだいたの?」

今日もダサいジャージをきた高津先生がいた。

「掃除をしていたので。」

2人で話すのは、お茶以来だな。先生ますます生徒に嫌われてるけど。

「垣内さんが掃除すると綺麗だよね。他の先生にもいつも汚いのに昨日は綺麗だったって言ってたよ。」

先生って意外にそういうのも見てたんだ。


「ありがとうございます。でも、そんなこと言われたらさぼれないじゃないですか。」


「ぇっ、ごめん。」

すごく申し訳なさそうに謝る。こういう気が弱いところが生徒から嫌われる原因だろう。まあ、私はこの申し訳なさそうな顔をされると戸惑ってしまうんだけどね。


「冗談ですよ。私そろそろ帰ります。」
と笑顔で返して、荷物を持ち直して、ドアにむかった。

「気をつけて。最近変質者が増加してるみたいだから。」


まあ、そんなんにはあわないと思う。少し怖いけど。

「はい。さようなら。」


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