BLACK×HEAVEN
「ルイ」



今度はカズサがあたしを呼んだ。



忙しい。



「ん?」


「ありがとう」



カズサに礼を言われるような事をした覚えはない。



意味わからん。



「は?何が?」


「あの子を万引き犯にしないでくれて」


「それがあたしの仕事やから」



やっぱりカズサはあの子を知ってるんやな。



「あの子ね、リョウジの子なんだ」



リョウジというのは、カズサが20年間想い続けてる人の名前。



リョウジが幸せになるのを見届けるために、カズサはずっとこの世に残ってる。



「そうやったんや。でも、子供がいるなら結婚してるんじゃないの?」



それでもまだカズサがこの世にいるという事は、リョウジは幸せな結婚生活に恵まれへんかったって事なんかなぁ。
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