precious one
「できた」
やっとの思いで、包帯を巻き終えた。
「ん、ありがと」
満足そうに、そのグチャグチャな包帯を見つめる稔太。
あたしは、その場から動けなくて。
すると、突然頬に、温もりを感じた。
怪我をしてない稔太の左手が、あたしの右頬に添えられた。
「愛花」
稔太の声に、目線だけを向けた。
すると、稔太は優しく微笑んでた。
あたしの心臓はドキドキして。
思わず呼吸を忘れそうになった。
稔太しか見えなかった。
まわりはすべてモノクロで、稔太だけが色づいてた。
稔太の瞳に、吸い込まれそうになった。
稔太の顔が、近付こうとしたその時。